目覚めたら、ただそこに「居た」という感触。
忘れ去られる夢は言葉を持たない。文字ではない文字で紡がれた物語はほどけてゆく。そして白い欠片となり、だれも聴くことの無い雨音のように、人知れずどこか深い森の中に消えて行く。
白い床の上に眠る夢をみる。どこまでが自分の身体か、境界が曖昧になってゆく。怖くはない。その夢は、あなたの記憶が連れてきたものだから。夢も、あなたのことを覚えている。
そして、なんど目かの朝を迎える。
物語はほどけてゆく。人知れず、どこか深い森の中に。怖くはない。
月と星の光が優しく降っている。
2014年6月1日 岡山 知憲